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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECホットトピックス(AD)

老舗ネットショップ経営者が調査資料を読んだら!? AI時代に中小ECが活きる道を訊く

オムニチャネルなど、大企業のECへの取り組みが注目されがちな昨今。しかし、日本のECを盛り上げてきたのは、10年ほど前から楽天市場等のショッピングモールに出店し、奮闘してきた中小ネットショップであることは間違いない。その代表ショップのひとつ、アミファ・藤井俊行さんとUGO.LLC・川原悠伍さんが、調査資料『EC市場とテクノロジー活用最新動向調査2015-2016』を購入。感想をうかがいつつ、ECのベテランは現状をどう見ているのか対談してもらった。

ECで儲けるのではなく、ECをやること事体が目的になっている

――おふたりとも、10年以上前からECにかかわってこられたベテランです。長年見てこられて、EC業界には何か変化がありましたか?

藤井(アミファ) いちばん大きいのは、人が変わったところかな。10年前は、正解がない中でやっていくのが当たり前だったのが、近頃は、正解があってその通りにやれば売れると思っている人たちが増えていると感じます。ECで成り上がりたい!というベンチャー社長は少なく、企業のサラリーマンでたまたまEC担当になったからやっているという人も多い。もちろん、そのなかからスーパーサラリーマン店長も出てくるわけですが。

僕がECにかかわることになった歴史を振り返ると、注文書が郵便で届く形で商売をしていた時代から、FAXやメールが登場し、メールに添付されたCSVで注文が来る時代に変わっていきました。そして今は、注文書が会社に届かなくなり、ネットショップに入ってきた注文に対し、倉庫が出荷してくれる形になっている。僕らの仕事は、在庫を埋めるだけと言っていい。

僕はそれを、注文書のもらいかたの変化としか捉えていません。お客様がFAXに手書きで書くのが面倒だから、ネットショップから購入するのに変わっただけ。ECってそれだけのことなんですが、なぜか皆さん、「インターネットにお店を出すこと」だと勘違いしていると思うんです。この話を理解してくれる人が少ないんですよね。

株式会社アミファ 専務取締役 藤井俊行さん
楽天市場やYahoo!ショッピングなどでプリザーブドフラワーをメインに販売している。

川原(UGO) 僕の場合は、自分がネットショップの店長なのではなく、予算と権限を与えている部下が、いつのまにか楽天市場でモノを売り始めていたという経緯でECとかかわってきました。インターネットは好きで、これで商売をするにはどうしたらいいかなと思って、当時から勉強していました。藤井さんと出会ったのも、”ネットで儲かっている人たちが集まる”という謳い文句に惹かれて行った、経営者や店長さんたちが集まる会だったよね。

10年前と今を比べて感じるのが、ECで儲けようとしているというよりは、ECをやること自体が目的になっているんじゃないかなということです。でも、今でもECでちゃんと儲かってる人たちは、ちゃんと商売しようとしています。

調査資料の49ページに、「普段よく利用する通販サイトのショップ名」のグラフが出ていますけれど、Amazonや楽天市場が上位なのは当然として、20位くらいになると「澤井珈琲」さんや「オーガランド」さんが出てくる。これらのお店は、きっと楽天市場に出店している店舗が印象に残っているはずです。でも、楽天市場よりもそのお店の名前が出てくるんですよね。

――調査資料について触れてくださってありがとうございます。正直なところ、購入してくださって驚いたんです。想定していたターゲットと違ったものですから。

藤井(アミファ) 調査資料に登場している大企業の皆さんのお話を読むと、ECは実店舗の通信手段で、核心は顧客の囲い込みだと捉えていらっしゃる。僕らみたいな小さい小売店は、楽天市場やそもそもSEOによる「新規の集客」という期待があるけれど、彼らは既にいるお客様とどう付き合っていくかを考えてECをやろうとしている。同じECでも、そもそものすみ分けが違うなと感じました。

川原(UGO) 僕らのように自分で事業を起こそうとする人間は、1章、2章に出てくるような探せば見つかるデータは自分でとっています。この調査資料は、インタビューをして裏付けをとっているところがいいところかなと思います。でも、制作に半年かけて作っているということなので、ここに載っていることは半年前に誰かがやっていること。同じことを半年後からやったら負けなわけです。ここに載っていないことをやらないと商売にならないと思います。

UGO.LLC 川原悠伍さん
楽天市場、Yahoo!ショッピング等で展開していた資格取得系eラーニングの事業を譲渡後、ECとは距離を置き、利益をデザインする経営コンサルタントに転身。

藤井(アミファ) 大企業の経営企画部さんが、これからEC事業をやろうとする際のエビデンスにはいいよね。多くの人がこれを読んで、ここに載っていることの真似をすると思う。そうすると、まだ儲かる道はあるなというのが僕らの発想なんです。

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ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)

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